では、果たし合おうぞ

落としがいのある首よ

さて……仕掛け時と見たが如何に

石火春雷(せっかしゅんらい)……一刀にて証を示す

承知

ふっ

心得た

ここが勝負どころよな

ふっ

はぁっ！

遅いな

見せ所よな！

秘剣『燕返し』！

何と……！

ちっ

あっけないものよ……

不覚をとったか……

一念(いちねん)鬼神(きしん)に通じる。人の身と侮ったな

刀身に歪みなし、まったくの無傷であったな

アサシンのサーヴァント、佐々木小次郎。ここに参上仕(つかまつ)った

ふん、男前が上がったかな

月見に一杯。いやぁ実にめでたい

太刀捌きに幅ができたようだ

涼やかだな、マスター

剣気、精妙に達し申した。礼を言うぞ、マスター。我が剣、存分に使うがよい

佐々木小次郎と名乗りはしたが、さて。これが拙者の真実かどうかは自分にも判らぬのだ……いやぁ、刀に命を捧げた酔狂者らしい末路よな

マスターに不満はないぞ？ 其方には魔術師特有のおごりがない、私にはそれが好ましい

某(それがし)も自由人の自覚はあるが、主殿もなかなかよなぁ。世界を救うという使命を背負って尚軽やかとは。 いいや、良い。実に良い

道具には道具の幸せがある。私は人間としては破綻している身ゆえ、其方の様な者に使われるのは心地よい

どうだ、たまには月を肴に酒盛りでも……なに、未成年？　まだ飲めない……？　それはしたり。ではあと数年、気長に待つとしよう。それまでこの小次郎、そなたの守り刀としてあり続けるさ

私の事は、刀の一振りとでも思ってくれればよい

そろそろ、出立かな？　こちらの準備はできているぞ

不満はないのかと？　これといって誇る武もなし、マスターの指示に従おう

何の因果か、またあの女狐とまた縁があるとは。しかしキャスターめ、いささか……いや、別人のように変わってはいないか。う～ん、言いたくは無いが……可憐だ

いや、拙者は真の小次郎ではないゆえ、かの剣聖殿と出会うたことはないのだが……事実は小説より奇なり、という奴か。手合わせをしたいような、したくないような……

求めるものかぁ。日がな一日、刀を振るっていれば満足だが

何を嫌悪するかと？　醜悪なものは見るに堪えん、姿ではなく心の話よ

聖杯……月見には大仰過ぎる杯よなぁ、髑髏(しゃれこうべ)の方がまだ気が利いている

うん……？　尋常ならざるこの気配……

今日が主殿の祝い日であったか。良き一日であると良いなぁ