この身すべては妄念と夢想に過ぎず

（稼働音）

蒸気圧 最大

『階差機関』（ディファレンス・エンジン）、起動

（ガシューン）

（プシュー）

（ウィィーン）

見果てぬ夢を、ここに

（起動音）

（駆動音）

（作動音）

鉄槌、一撃

我が空想、我が理想、我が夢想――『絢爛なりし灰燼世界（ディメンジョン・オブ・スチーム）』！！

（ゴシャ━━ン！）

（ガシャン！）

有り得た未来、掴む事、叶わず……

無念、で、ある……

我に武勇なく、覇業なく、栄光も有り得ず

（蒸気音）

我が名は蒸気王。ひとたび死して空想世界と共にあるもの

蒸気圧、上昇である

Functions拡大。第二形態への変形である

Functions、更に拡大を確認

Functions拡大。第三形態への変形である

Functions拡大最大値、此処に我が機体は完成を迎えた

貴様であれば、いつか、我が空想を見るかもしれん

我が空想世界には争いなど無く、発展と繁栄のみがある

我が宝具を真に開放すれば、様々な夢の機械が現れよう

貴様は、我を、信じるのだな？

貴様にも見えるだろう。『それ』が、我が夢見る空想世界

希望の勇者よ、我は、貴様の力となろう

マスター、入力を求める。我は貴様の入力に答えて稼働する

我は従おう。この戦いにおいて、貴様をマスターとして

待機状態である

冷却時間も必要である、マスター

我は正常に稼動している

（蒸気音）

我は空想する。我が『階差機関』（ディファレンス・エンジン）に満ちた、ありえた未来を

畏れ、Dislike、憎しみ、嘆き……即ち、妄念と夢想の具現であるこの身である

聖杯……それは極めて強力な、新型機関の動力となるだろう

異常事態を感知。確認が必要であると予想される

我は祝う。貴様の誕生を。おめでとう

フラン「どうだ！」バベッジ「うむ、蒸気機関良好である」プロフェッサーM「悪だくみも順調だよーん」

フラン「でっぱつしんこー！」バベッジ「それを言うなら出発だ」プロフェッサーM「ほらほら、でっぱつするよ君たち！」

フラン「らいとにんぐ！　ふはははははははは」バベッジ「娘よ、ニコラ・テスラの模倣は推奨できない」プロフェッサーM「そうだぞ、あの男みたいになったら、パパ泣いちゃうぞ～！」

プロフェッサーM「脱獄仕事なら任せたまえ。いや、一度も捕まったことはないんだがね」バベッジ「そういえばそうだったな。プロフェッサー、貴様もしかすると……ただの素人ではないか？」フラン「あなほりあなほり」

プロフェッサーM「よーし、トンネルにはディック、ハリー、トムと名付けるとするか」バベッジ「何人かが脱獄できないフラグではないだろうか？」プロフェッサーM「我々じゃないから問題ないサ」フラン「そういうこというからぱぱはだめなんだとおもうよ？」

プロフェッサーM「必要な物はスプーン、接着剤、それからロックハンマーだ……。いやぁ……脱獄作業は楽しいものだネェ」フラン「おとこのろまん？」プロフェッサーM「叛逆者にとってのロマンなのだよフラン……。フハハハハ……」

フラン「だいしょうり！」プロフェッサーM「イエーイ！」バベッジ「では、早速の調整だ。スパナスパナ……」

フラン「かった！　さいんはぶい！」バベッジ「気を抜くな。勝って兜の緒を締めよ。という諺もある」プロフェッサーM「キミの緒がどこにあるのかわからないんだけど私……」

プロフェッサーM「よし！　完璧なる勝利だ。ああ、大儲け大儲け！」バベッジ「不穏な雰囲気を感じる私であった」フラン「おかねもうけはいいことだよ？　とーぼーするためのしきんとか、あればあるほどいいしね」

プロフェッサーM「下水管を通って這いずり回るのは我々ヴィランにとってのロマンだネー」フラン「わたしたち、ヴィランでもないぞー。ヴィランなのは、ぱぱだけだぞー」

プロフェッサーM「そこで私はこう言ってやったのサ。見ろよあの肉体を！　まるで鋼のようだぜ！　ってね」バベッジ「まて、話がまるで落ちていない」プロフェッサーM「よく言うだろう？　続きは劇場版で！　……とね」フラン「うー！　しごとしろふたりともー！」

プロフェッサーM「ぐっ！　腰！　腰がぁ！　奇妙な音を立てたァ！ フランちゃん！　ちょっと！　整体よろしく！」フラン「おっけー、ぱぱ」バベッジ「回避を推奨する、プロフェッサー。メイスでの整体は危険極まる」

プロフェッサーM「大勝利だ優勝だ超リッチだイヤッホー！」フラン「やったー、ほめてほめてー！」バベッジ「称賛に値する。やはり蒸気機関こそが最強である」