我が顔を見る者は恐怖を知る事になるだろう

お前も、お前も……お前も

微睡む君へ私は歌う

愛しい君へ私は歌う

ふふっ

はい

承知

共に歌いましょう

ふふっ

ララララ

はははっ！

私と歌おうもう一度

歌え……歌え我が天使、『地獄にこそ響け我が愛の唄(クリスティーヌ・クリスティーヌ)』

ぐああああああああ！

ぬおっ

二度……二度、と……

聞こえない、君の声が

お前は歌わない、もう二度と

凱歌はない、凱歌はないのだ……

我が顔を見る者は恐怖を知る事になるだろう……お前も

喝采はない、喝采はない……

我が魂と声はここに

さあ、開演の時間だ

いけないいけない……醜き我が顔を見たものは最早……

許せとは言わぬ、決して許されぬ。我が魂と声は永遠に囚われる――ああ、クリスティーヌ、クリスティーヌ……

歌姫よ、私は君に寄り添おう

君こそ歌姫、今を生きるクリスティーヌ

歌え歌え高らかに、愛を希望を死を

美しい……君の声、美しさの形

共にあろう。歌と共に。永遠に。永遠に……

クリスティーヌ……君の声はクリスティーヌのそれ……

君こそクリスティーヌ、我が愛の声

我が仮面、我が醜さを隠すもの

我が顔を見てはならない

我が主、美しき声の人。ああ……

美しき声持つ人よ、いざ参らん

聴かせてくれ君の声を。私に、私に……私に

君の声は美しい……

醜き者を私は呪う、故に私をこそ私は呪う

聖杯に私は願う、君が最高の歌姫たらんと

限られし時、永遠ならぬひと時──さあ参ろう、共に……

美しき声現れる時、始まりの時。美しさの始まり……