仕事の時間か？ よし、休ませてくれ

過度の期待はよしてもらおう

いいだろう、少しばかり誇張して書いてやる

ゲルダの涙よ、心を溶かせ

まったく

いいぞ

さて

もう締め切りか？　仕方ない

そら

つまらん

本気か？

目も当てられん駄作ぶりだな！

ではお前の人生を書き上げよう。Titleは……そう、『貴方のための物語(メルヒェン・マイネスレーベンス)』、だ

締切り３秒前とみたーーーッ！！

ぐはっ！

筆舌に尽くし難い…

肉体労働……断固反対

何、終わりか？　はっ、これはこれで物足りんな

仕事納めだな、休ませてもらおう

三流サーヴァント、アンデルセンだ。本棚の隅にでも放り込んでおいてくれ

背丈は全く伸びんがな

文明様々だな、全く

筆の進みは早くなったか？

ええい仕事を押し付けるな、もっと遊ばせろ

よ～し完成だ。これぞ俺の理想、俺に適した最強の仕事場だ。ん？　どうしたマスター、何を呆れている。俺も物書きの端くれ、きっちり流行りものは押さえておくのさ

能書きはいい、さっさと働け。その分俺が楽をできるからな

そろそろわかったと思うが、俺は人間嫌いだ。まともな意見なんぞ求めるなよ

愛も恋も人の欠陥にして最大の特殊スキルだが、今回の話はどうも違うな。黒幕とやらは、さぞ愛のない獣に違いない。そのくせ夢だけは人一倍だ

ふむ……オレが欲しいと思った時に茶があり、休みがある。……お前、もしやマスターとして一流なのか？

お前の物語を書いてみるか。どうあっても少年向けになるが……まぁ、偶には青臭い冒険譚も悪くはないさ

戦いに出ないのか？　ネタをくれ、ネタを

せいぜい、こき使うがいい。マスター

お前は出版社、俺は作家。これ以上の主従関係がどこにある？

これはこれは。波乱に満ちた演劇作家様がいるじゃないか。作品より自分の人生の方が劇的じゃないかと、そろそろ誰かに指摘されたか？

天国？　仕事が終わった瞬間に決まっているだろ、馬鹿めっ！！

地獄？　仕事をしている時間に決まっているだろ、鬼めっ！！

聖杯だと？　誰もが幸福になる願いなど嘘っぱちだ。そんなものを煮るより、温かいシチューでも煮込んでくれ

イベントが始まったぞ。犬のように喰いつくがいい

お誕生日おめでとう！　さあ、酒でもひとつおごってくれ