俺と戦っても面白くはないだろうが……

つまらぬ戦いにならぬよう、気をつけよう。

では、これで行くか。

ふむ、これか。

ああ。

いいだろう。

よし。

——行くぞ！

はっ！

かっ！

でやあぁ！

覚悟を決めてくれ！

邪悪なる竜は失墜し、世界は今、落陽に至る。撃ち落とす。『幻想大剣·天魔失墜（バルムンク）』！！

黄金の夢から醒め、揺籃から解き放たれよ。邪竜、滅ぶべし……『幻想大剣·天魔失墜（バルムンク）』！！

まさかっ……！

貫いたか……！

真っ向から負けるとはな……

無念はない。ありがとう。

これもまた宿命か……

運がこちらに寄っただけだ。気を落とすな。

セイバー、ジークフリート。召喚に応じ参上した。命令を。

少し勘を取り戻せたらしい。

よし、いけそうだ。

ああ、これはなかなかいいものだ。

竜殺しの力を取り戻したようだ。

到達したか。ありがとう、マスター。

マスター、背中には回らないでくれないか？気分が良くないのだ。悪いな。

背を隠すことは出来ない。呪いなのでな。

マスター、すまないが背後を警戒してほしい。俺が正面を防ぐ。

俺はマスターを信じよう。君に背中を預ける。何、特別な事は無い。ただそこにいてくれれば、それでいい。

友よ。いつか、あなたが俺の背に剣を突き立てる日が来たとしても、俺は決してあなたを恨むまい。これが、俺にできる最大限の信頼だ。

むぅ……どうやら何かあったようだ。

俺はあなたのサーヴァントだ。それでいいのだろう。

マスターがあなたならば、俺は全てに従うだろう。

黒のライダー、君も来ていたのか。そうだ、次から誰かを助ける時は、俺にも声をかけてほしい。大丈夫だ、俺はもう迷わない。

すまない。あいにくと、俺はトナカイさん2号ではないのだ。どちらかと言うと、爬虫類なのだ。……本当に、すまない。

背中を刺されればどうなるか？ もちろん死ぬさ。これはもはや、呪いであり概念だ。だが、時々思うんだ。もし全身余すことなく血を浴びていれば、邪竜に堕ちたのではないかとね……

聖杯大戦……申し訳なさに身が縮む思いだ、特に黒のランサーにはね。今はせめて、彼と共に剣を振るうことができるのが唯一の慰めであり、贖罪だ。

ラインの黄金……あの呪われた財宝か。先ほど聞いたのだが、今はドイツの錬金術師が保有しているとか。確かそう、名前はアインツベルンだったか。呪われていなければいいのだが……

生前の俺には、望みらしい望みがなかった。そういう意味では、願望器のようなものだった。……今か？ 今は、すでにして望みが叶っているよ。人理を護る、人を護る、マスターを護る。その全てが、俺の願いでね。

赤のランサーか。かつての決着を付けたいところだが、どうやら君には先に雌雄を決せねばならない相手がいるらしい。ならば、俺はその次まで待つべきだろう。

まさか、あのホムンクルスにそこまで担わせてしまうとは……。申し訳ないことをした。いや、本人にとっては、それこそが誇りなのか。止めることが出来ないのならば、せめてこの魔剣で道を斬り拓くとしよう。

君は……そうか。これも何かの縁というものだろう。俺の力など微々たるものだが、役立つなら幸いだ。

時として悪のように語られるが、俺は『正義』という言葉が好きだ。

どうあれ、邪悪は許せない。俺の価値観がズレてさえいなければ、だが。

聖杯に望むものは特にない。ただこの戦いで正義を全うできれば、それでいい。

さて、どうする？イベントに向かうか？

今日はあなたが生まれた日か。祝福を。